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アルミニウムをもっと丈夫に!アルマイト加工とは

重量が軽く加工性に富んでいるアルミニウムは多くの分野で使用されています。印刷業界も例外ではなく、主に金属銘板において頻繁に採用されています。しかし一方で、傷つきやすい、腐食してしまうといった点から、そのまま製品に使用するには難しい素材でもあります。

そんな欠点を補うために施されている加工方法をご存知でしょうか。


今回はアルミニウムへの加工、アルマイト加工(アルマイト処理)についてご紹介いたします。



  目次  



アルマイト加工とは

アルマイト加工とは防錆処理のひとつで、アルミニウムに電解処理を行い、表面に酸化被膜を作る加工を指します。

アルミニウムは何もしなくても自然に酸化被膜が作られますが、この被膜は非常に薄く損傷しやすいため、人工的に加工を施すことで腐食及び摩耗しにくくなり耐久性が向上します。別名陽極酸化処理やアノダイズ処理とも呼ばれます。


よく似ている加工にめっきがありますが、アルマイト加工は表面並びに内部に酸化被膜を生成するのに対し、めっきは表面上に金属の膜(めっき被膜)が重なり被膜を生成する加工です。

アルマイト加工ではアルミニウムを溶解し被膜が入りこんで成長していく箇所と、表面から外側に向かって成長していく箇所があり、一度アルマイト加工を施したあと被膜をはがして再度加工し直す場合には、内部浸食の分アルミニウム自体の厚みが減ってしまう(肉痩せ)点には注意が必要です。



アルマイト加工はなぜ行われるか

アルマイト加工はアルミニウムの耐久性と美観を向上させるために施されます。

耐久性の向上

アルマイト加工による皮膜はアルミニウムの表面を保護し、耐腐食性を高めます。

また、加工によって硬度が挙がり摩擦に強くなるほか、損傷しづらくなります。

美観性の向上

アルマイト加工は防錆処理であり表面の変色を避けることができます。

また、アルマイト加工は被膜にできた孔に染料を吸着させることで色を付けることができるため、様々なデザインが実現できます。

絶縁性を持つ

アルマイト加工を施すことで、アルミニウムは電気を通さなくなります。

絶縁性を持ち、かつ軽く丈夫なアルマイト加工後のアルミニウムは重宝されます。

熱伝導率を下げられる

アルミニウムは他の金属と比べ高い熱伝導率を有しますが、アルマイト加工後被膜の熱伝導率は通常のアルミニウムと比較して約3分の1にまで減少します。




アルマイト加工の種類

アルマイト加工には要求事項に応じて様々な加工方法があります。

一例を紹介いたします。


白アルマイト(普通アルマイト)

染料で染めていない一般的なアルマイト加工です。

白っぽく見えることもありますが着色はしておらず、アルミニウムの素地をいかした色をしています。

白アルマイト加工を施された製品としては、家電製品や日用品、台所用品が挙げられます。


カラーアルマイト(着色アルマイト)

アルマイト加工時に膜にできた孔に染料を吸着させ着色する方法です。

カラーバリエーション豊富でモバイル機器や家具部材などに使用されています。


硬質アルマイト

通常のアルマイト加工と比較して低温の液で処理することによりアルマイト生成時にできる孔が小さくなり、その分膜壁が厚くなることから硬度が増します。

耐摩耗性、耐腐食性に特に優れ、自動車のエンジン部品や航空機部品に使用されています。



アルマイト加工のデメリット

万能にも見えるアルマイト加工ですが、一方でデメリットも存在します。


被膜がはがれやすい

アルマイト被膜はアルミニウムと比べ柔軟性に欠けるため、アルマイト後に成型加工を行う場合に被膜がはがれてしまうことがあります。

また、被膜とアルミニウムとで熱膨張係数が異なるため、加熱時に被膜が追従できず破損する可能性もあります。

このようなリスクを避けるため、成型を終えてからアルマイト加工を施すことで、アルマイト被膜の割れや剥がれのリスクを減らすことができます。



  まとめ

アルマイト加工はアルミニウムの欠点を補い、耐久性と美観を向上させる優れた加工方法です。あまり聞きなれない加工方法ではありますが、実は飛行機で最も重要な銘板とも言われる製造所銘板に使用されるなど、アルミニウム部品には多く採用される加工方法でもあります。使用環境にあわせた適切な加工方法を選択して、より長持ちする部品を製作しましょう。


当社では、アルミニウムにとどまらずご使用の環境にあわせて様々な材料から最適な仕様をご提案いたします。

「○○に貼るステッカーが欲しいがニーズにあうものが見つからない」「社名やブランドロゴを含めたオリジナル銘板が必要」「耐熱や耐薬品性の基準を満たす仕様を探している」など、お困りのことがございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。


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